ストップ狩り(刈り)は意図的なのか?

まことしとやかにネット上で噂されているストップ狩り(刈り)
一般的にストップ狩りというと、業者が意図的に顧客のストップロスを刈って利益を懐に入れている意味で使われています。
しかしこのストップ狩りは大きく2種類ありまして、まず一つ目は業者ではなくて「大きな資金を持つ人達が意図的に市場を動かす」時に起こるストップ狩り(のような物)
ただ、もちろん大口とは言え、流動性の低い時間帯を狙ったとしてもFXで単体のファンドが意図的に動かせる価格は思ったよりも大きくありません。
なので最近言われているのが、HFTの特性を狙った注文で意図的に一方通行に相場を動かすやり方です。2019年1月3日にたった5分の間に108円から103円まで一気に落ちたのは、このHFTが一斉に動いたからだと言われています。
HFTは人間では対応できない超高速で自動取引をおこなうコンピューターのことです。ヘッジファンドで主に使われており、世界の取引量の半分はこのHFTによるものだと言われています。主要なHFTの特徴としては、大きな値動きに追従してティック※レベルで決済を繰り返す特性があると言われています。
※ティック=1分足よりさらに小さな単位
この結果、個人のロスカットも狩られてTwitterや5chでは「ロスカット狙われた!ストップ狩りだ!」なんて騒ぐ人がでてきますが、これに関しては大口がわざわざ個人のロスカットを狙いにくるなんてことはちょっと考えにくいです。
たまたまクジラが泳ぐ進路上にイワシが泳いでいて飲み込まれたというだけの話です。
HFTの挙動を利用したりして暴落を誘引したことは否定できませんが、ロスカットを狙ったと考えるのはどちらかというと被害者の妄想もはいっているのかなと考えます。
もう一つの「業者によるストップ狩り」
顧客のロスカットが溜まっている位置を業者は把握しています
もう一つの、業者がわざわざ顧客のストップロスを狩りに来るという話ですが、FXの世界ではたとえ流動性が低い時間帯とは言え、狙ってカットするのはあからさますぎてちょっと考えにくいです。
しかし上の画像のように、自分の顧客のロスカットの位置は業者はすべて把握していますので、「できないことではない」と言えるでしょう。でもFXでやっているかどうかは微妙・・・
しかし、これが仮想通貨の世界となると話は別で、老舗取引所の一つであるzaifのストップ狩り祭りは非常に有名です。表向きはzaifはサーバーが弱いってことになっていますが、チャートをみるとありえない動きになっています
一瞬で40万の値動き
爪楊枝が立ってます
さすがにこのレベルをバシバシやっているとストップ狩りが意図的だと言われてもしかたありません。仮想通貨の世界は規制がゆるゆるだったのでやり放題でしたが、zaifはこの後、金融庁から行政処分を食らっています。やはりなにかやってたんでしょうね。
なぜ業者がストップ狩りをするかわからない人はこちらを読んでくださいね

相場が盛り上がるとストップが狩られる

上の画像ですが、ゆるい値動きの時はヒゲも短いですが、相場が加速して、ボリバン2σ(シグマ)を超えてくる辺りはヒゲが長くでています。つまり一気に下がって一気に戻っているということですね。
この相場のピークの辺りでは、てばこさんが話しているように、取引の活発化、インターバンクのスプレッド拡大+業者のスプレッド拡大とトリプルコンボが起きているわけでして、当然ガンガンレートが動きますのでストップの価格にタッチしやすくなります。こんな時に業者の一存で価格を操作できるわけがありません。
つまり、このような動きは相場では常に起こるものであり、こういった場所で「ストップ狩りだ!」なんて叫ぶのはナンセンスだということです。
ストップ狩りは都市伝説? まとめ
※指をくわえて何もせず見ていること
